ビジュアル・ニュース解説

参入が相次ぐ「植物工場」の最新事情を知る

2014.12.1 掲載
野菜や果物などの農作物を生育環境を自動制御した施設内でつくる「植物工場」が増えています。季節や天候に関係なく1年を通して安定して生産でき、安心・安全であることなどが人気です。政府は補助金を出して普及を後押ししており、途上国などへの設備やノウハウの輸出も始まっています。今回は植物工場とは何か、注目され急増している背景、企業の参入状況などについて解説します。

2.技術の向上や消費動向の変化で急増。国も普及を後押し(1)

2.技術の向上や消費動向の変化で急増。国も普及を後押し(1)
 近年、植物工場の数が急増しています。富士経済の推計によると、国内の植物工場の市場規模は2018年に152億円と、13年に比べ約2倍になるとされています。
 市場が急成長している要因として、まず挙げられるのが技術向上です。その代表例が太陽光を代替するLEDの登場です。植物の生育に有効な光の色は成長とともに変わりますが、青色LEDの発明で各段階に合う色が自在に出せるようになりました。LEDは発熱が少ないため施設内の温度調節にかかるコストの削減にもつながり、より効率的に野菜を育てられます。
 消費者の食に対する考え方の変化も影響しています。食の安全・安心への関心や健康志向の高まりに伴い、農薬を使わず清潔な野菜や果物の需要が増えています。
2014年12月1日掲載