LED生産では日本のメーカーが技術の蓄積などで優位にあり、白色LED販売個数の世界シェアは日亜化学工業と豊田合成で約3割を占めています。
関連部材でも日本の素材・部品メーカーが市場をリードしています。青色LEDの性能を左右する窒化ガリウム基板は、日立金属、住友電気工業、三菱化学の3社が安定した品質で製造できる技術を武器に、世界市場をほぼ寡占しています。
ロームは液晶テレビやスマートフォンに使うLEDの明るさを制御する半導体で3割程度のシェアを持ち、ミネベアは液晶画面のバックライトで評価を受けるなど、日本企業の強さが目立ちます。
最近は日本メーカーによる新たな用途の開拓が活発化しています。旭化成は15年から、殺菌効果のある紫外線を出す小型LEDランプの出荷を始めます。現在は紫外線の光源には水銀灯を使うのが一般的ですが、LEDに切り替えることで電力消費量を削減します。食品工場や医療機関などに販売し、20年度に売上高300億円の事業に育てる考えです。
LED照明を使った無線通信の研究も進んでいます。高速で点滅する光をデジタル信号に変え、音声や映像などのデータを送信するものです。青色LEDの利用分野は今後さらに広がりそうです。
ただ、白色LED市場は韓国サムスン電子などのアジア勢の追い上げで、企業間競争が激しくなっています。韓国勢はこれまでも生産規模の拡大によるコスト削減によって、半導体メモリーや液晶パネルなどの分野で日本勢から首位の座を奪ってきました。白色LEDでも同じことが起こる可能性があります。引き続き日本メーカーが世界をリードできるのか注目されます。