ビジュアル・ニュース解説

LEDってどんなもの? 青色LEDで何ができるの?

2014.11.3 掲載
青色発光ダイオード(LED)の発明と実用化への貢献により、日本の3氏が2014年のノーベル物理学賞を受賞しました。青色LEDの実用化によって光の3原色がそろったことであらゆる色が出せるようになりました。LEDは省電力・長寿命で素子そのものが光る特長から、照明やテレビ、携帯端末の画面のバックライトなどに広く使われています。今回はノーベル賞受賞であらためて注目を集めるLEDに関する基礎知識、青色LED開発の経緯、関連業界の動向などについて解説します。

1. 米国人が発明、日本人が実用化に貢献

1. 米国人が発明、日本人が実用化に貢献
 LED(Light Emitting Diode)は電気を流すと発光する半導体の一種です。LEDを発明したのはニック・ホロニアック米イリノイ大学名誉教授です。米ゼネラル・エレクトリック(GE)に在籍していた1962年、赤色のLEDを開発しました。ただ、このLEDは暗く、弱い光しか出せませんでしたが、西沢潤一・東北大学名誉教授が赤色LEDをより明るくすることに成功。その後、同氏は緑色のLEDも開発しました。 赤・緑・青の光を混ぜると、あらゆる色を出すことができます。この3色を「光の3原色」といいます。このうち赤と緑の2色のLEDは60年代に実用化レベルに達していました。
 一方、青色LEDの開発は難航し、20世紀中の実現は困難といわれていましたが、当時名古屋大学教授だった赤崎勇氏(現名城大学教授)と名古屋大の大学院生だった天野浩氏(現同大教授)が89年、窒化ガリウムを用いた青色LEDを開発。その後、当時日亜化学工業の研究者だった中村修二氏(現米カリフォルニア大学教授)がこの成果を発展させて量産化に道を開き、93年に同社が世界で初めて製品化しました。この成果が評価され、赤崎、天野、中村の3氏は2014年にノーベル物理学賞を受賞しました。
2014年11月3日掲載