市場拡大の背景にはペットに対する飼い主の考え方の変化があります。犬や猫はかつて、防犯やネズミの駆除など人間の生活に利用したり、飼育を楽しんだりするための家畜でした。雑種をもらって育てるのが一般的で、餌も残飯などで、飼うのにそれほどお金はかかりませんでした。しかし、一人暮らしや高齢世帯の増加、少子化の進行などの社会の変化に伴い、犬や猫などのペットは飼い主にとって家族同然の存在の「コンパニオンアニマル(伴侶動物)」となりました。家族の一員ととらえる考え方が浸透するにつれ、飼い主はペットにお金や手間をかけるようになり、関連ビジネスのすそ野は着実に広がっています。