これらの課題と環境変化に対応するため、1988年に築地市場再整備の基本計画が策定されました。しかし、現在の敷地には再整備に必要なスペースがないうえ、営業を続けながらの工事は時間がかかり、その間の業務に支障が出る恐れがあったため99年に「移転整備」へと方針を転換しました。
新市場は十分な広さの駐車場や荷さばきスペースを確保でき、交通アクセスの良さなどが求められます。築地市場を利用する業者らの利便性を考慮し、現在の所在地から近くなければなりません。これらの条件を満たす移転場所として、01年に築地から2.3キロ離れた江東区豊洲のガス工場跡が選ばれました。
ところが、移転先はガスの製造工程で生成されたベンゼンやシアン化合物などによる土壌や地下水の汚染が確認されました。この影響で事業開始が延び延びになっていましたが、汚染対策にメドがつき14年2月に工事が始まり、16年3月の完成を目指して工事が進んでいます。