14年の春季労使交渉は様相が一変しました。安倍政権が進める経済政策「アベノミクス」への期待感により2012年末から円安に転換したことで、自動車や電機など輸出産業の業績が回復しているほか、小売りなど内需型産業の収益も上向いています。このため、全国の労組を束ねる中央組織である連合は14年の春季労使交渉で1%以上のベアを要求する方針を決めました。
これを受けて、トヨタ自動車の労組は月4000円のベアを、パナソニックや日立製作所など電機大手6社も月4000円のベアを要求しました。これに対し、トヨタは08年実績の1000円を大きく上回るベア2700円に加え、一時金6.8カ月の要求に満額回答しました。電機大手6社も2000円のベアを回答しました。このほか、鉄道や通信、小売り、外食など幅広い業種でベアが実施され、近年にない規模の賃上げに踏み切る企業が相次ぎました。