ビジュアル・ニュース解説

「ビッグデータ」でどんなことができるの?

2014.2.3 掲載
「ビッグデータ」という言葉を見聞きする機会が増えています。情報端末の進化やソーシャルメディアなどのIT(情報技術)サービスの普及にともない、多様で大量のデジタルデータが日々生まれるようになりました。これがビッグデータです。データを処理・蓄積する情報機器の性能や分析技術が飛躍的に向上したことにより、ビッグデータをマーケティングや商品開発、業務改善などビジネスに生かす企業が増えています。国や自治体も注目しており、防災や医療、農業など様々な分野で活用が期待されています。今回はビッグデータとは何か、企業の活用事例、本格的な普及に向けた課題などについて解説します。

2. マーケティング・業務改善・効率化などへの活用進む

2. マーケティング・業務改善・効率化などへの活用進む
 ビッグデータがどれほど役立つかは身近なところでも体験できます。例えばインターネットの検索機能です。グーグルの検索窓に「ビッグデータ」と入力すると、「ビッグデータ 事例」「ビッグデータ 市場規模」など、ビッグデータに関連した検索語句の組み合わせの候補が表示され、多くの検索語句を入力しなくても調べたい事柄がすぐに検索できます。これは利用者の膨大な入力履歴を分析した結果から導き出されたものです。
 一般企業ではマーケティング分野でビッグデータが盛んに利用されています。ポイントサービス「Tポイント」を運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブは会員の購買データを外部の企業に販売。データから浮き彫りになる消費者の好みなどを食品や日用品メーカーの商品開発に役立ててもらおうとしています。ローソンは共通ポイントカード「ポンタ」を通じ、「誰が、いつ、どこで、何を、いくつ」買ったかを分析。1人の顧客が同じ商品を何度も買う「リピート率」まで把握するなど、従来のPOS(販売時点情報管理)データ分析を超える効果を導き出そうとしています。NECは店舗に備え付けたカメラで撮影した来店客の顔と過去の来店者の顔画像を照合。購買履歴など各種情報も組み合わせて分析し、リピーターかどうか販売員に知らせて効果的な接客につなげるシステムを開発しています。
 業務の改善・効率化に活用する例も増えています。ソフトバンクは携帯電話基地局の混み具合やスマホの位置・接続率など月に6億件のデータを解析。つながりやすさ向上に最も効果的な基地局の設置プランを導き出しています。回転ずし最大手あきんどスシローはすし皿に埋め込んだICチップで年10億件の販売データを把握し、鮮度管理に活用しており、さらに最適な仕入れ量や人員配置の決定に役立てようとしています。
2014年2月3日掲載