LINEの快進撃を、他のIT企業がただ手をこまぬいて見ているわけではありません。追撃の急先鋒が韓国カカオによる「カカオトーク」です。LINEより1年以上早くサービスを開始した無料通話アプリの先駆けといえる存在で、グループ通話機能を搭載しているのが特徴です。登録ユーザー数は世界で1億人を超え、韓国ではトップシェアを誇ります。プロモーションの出遅れなどから日本でのユーザーは1000万人程度にとどまり、これまでLINEに水をあけられていました。しかし2012年10月にヤフー・ジャパンがカカオの日本法人に50%出資して以降、ヤフーサイトやヤフー会員との連携サービスを打ち出すなどサービスを急速に拡充しています。
もう一つの有力な対抗馬が、ソーシャルゲーム大手のディー・エヌ・エー(DeNA)が12年10月から提供を開始した「comm(コム)」です。無料通話アプリはインターネット回線を使うため、通常の携帯電話よりも音声品質が劣るという欠点があります。そこでDeNAは音声データの圧縮や転送方法を改良し品質を改善。「高品質な無料通話」を武器にユーザー数の拡大を狙っています。
このほかにも、サイバーエージェントが13年2月にメッセージサービスに特化した「DECOLINK(デコリンク)」を開始、フェイスブックも4月にスタンプ機能を導入しています。