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「LINE(ライン)」人気で注目される無料通話アプリについて知る

2013.7.15 掲載
スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)向けの無料通話アプリの利用が急拡大しています。この分野で先行する「LINE(ライン)」の登録ユーザー数はサービス開始から2年弱で1億5000万人を突破、他のIT大手も同様のサービスを展開し、機能を競っています。企業が販促手段として活用する例も増えています。今回はLINEを中心に、無料通話アプリの基本的なしくみと人気の背景、企業の活用事例、関連業界の動向などを解説します。

4. 相次ぐ参入で競争は激化

4. 相次ぐ参入で競争は激化
 LINEの快進撃を、他のIT企業がただ手をこまぬいて見ているわけではありません。追撃の急先鋒が韓国カカオによる「カカオトーク」です。LINEより1年以上早くサービスを開始した無料通話アプリの先駆けといえる存在で、グループ通話機能を搭載しているのが特徴です。登録ユーザー数は世界で1億人を超え、韓国ではトップシェアを誇ります。プロモーションの出遅れなどから日本でのユーザーは1000万人程度にとどまり、これまでLINEに水をあけられていました。しかし2012年10月にヤフー・ジャパンがカカオの日本法人に50%出資して以降、ヤフーサイトやヤフー会員との連携サービスを打ち出すなどサービスを急速に拡充しています。
 もう一つの有力な対抗馬が、ソーシャルゲーム大手のディー・エヌ・エー(DeNA)が12年10月から提供を開始した「comm(コム)」です。無料通話アプリはインターネット回線を使うため、通常の携帯電話よりも音声品質が劣るという欠点があります。そこでDeNAは音声データの圧縮や転送方法を改良し品質を改善。「高品質な無料通話」を武器にユーザー数の拡大を狙っています。
 このほかにも、サイバーエージェントが13年2月にメッセージサービスに特化した「DECOLINK(デコリンク)」を開始、フェイスブックも4月にスタンプ機能を導入しています。
2013年7月15日掲載