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「LINE(ライン)」人気で注目される無料通話アプリについて知る

2013.7.15 掲載
スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)向けの無料通話アプリの利用が急拡大しています。この分野で先行する「LINE(ライン)」の登録ユーザー数はサービス開始から2年弱で1億5000万人を突破、他のIT大手も同様のサービスを展開し、機能を競っています。企業が販促手段として活用する例も増えています。今回はLINEを中心に、無料通話アプリの基本的なしくみと人気の背景、企業の活用事例、関連業界の動向などを解説します。

3. 企業のマーケティングツールとしての活用も進む

3. 企業のマーケティングツールとしての活用も進む
 現在のLINEの主な収益の柱は2つあります。一つはユーザーへのスタンプの有料販売、もう一つが企業向けの「公式アカウント」サービスの提供です。
 企業向けの公式アカウントは、「友だち」として登録したLINEユーザーにクーポンやキャンペーン情報などを発信できる仕組みです。月額利用料は初期費用なども入れて1000万円からと、フェイスブックなどの企業アカウントが無料で作成できるのに比べるとかなり高額です。
 しかしLINEのユーザーは絶対数が多く、より多くの登録ユーザーを獲得できます。実際、登録者数のランキングで上位を占めるLINE公式アカウントは、いずれも数百万人の登録者数を記録しています。単純には比較できませんが、フェイスブックやツイッター上の企業アカウントの登録者の数は多くて数十万人ですから桁が違います。
 また、メッセージを受け取るとメールのようにスマホの画面に表示されるため、消費者に確実に情報を伝えられます。このためクーポンの行使率が高いのも企業にとっては魅力です。12年7月にフライドチキンの半額クーポンを配ったローソンでは、ツイッターなど他のメディアの倍の行使率を記録しました。マツモトキヨシも、12年7月のクーポン配信で1万数千人を店舗へ誘導。集客の課題となっていた10~30代が8割を占めるなど、若年層の取り込みに成功しています。こうしたメリットから、公式アカウントを利用する企業が増えており、2013年7月現在の公式アカウント数は150に上ります。12年12月には、中小企業・店舗向けの低価格アカウントサービス「LINE@(ラインアット)」も開始しました。
2013年7月15日掲載