ビジュアル・ニュース解説

「LINE(ライン)」人気で注目される無料通話アプリについて知る

2013.7.15 掲載
スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)向けの無料通話アプリの利用が急拡大しています。この分野で先行する「LINE(ライン)」の登録ユーザー数はサービス開始から2年弱で1億5000万人を突破、他のIT大手も同様のサービスを展開し、機能を競っています。企業が販促手段として活用する例も増えています。今回はLINEを中心に、無料通話アプリの基本的なしくみと人気の背景、企業の活用事例、関連業界の動向などを解説します。

1. 電話回線ではなくインターネット回線を使うことで無料化を実現(1)

1. 電話回線ではなくインターネット回線を使うことで無料化を実現(1)
 音声通話の方法には、既存の電話回線を用いる方式のほかに、通常はデータ通信に用いられるインターネット回線を使う方式(インターネット電話)もあります。電話回線では専用回線を確保した上で音声情報を伝えるため、音質が良く確実につながります。ただ、電話会社が設備を整えて管理する回線を使うので、利用する際の費用もそれだけかかかります。一方、インターネット電話では音声をデータ化し、いくつかの情報に小分けにして複数のインターネット回線を通じてバラバラに送ります。インターネット回線ではさまざまなデータが行き交い、混雑する場合もあるため、電話回線を使う場合に比べて音質にばらつきがあるなど信頼性で劣ります。半面、特別な設備が要らないシンプルな仕組みのインターネット回線は、電話回線よりも安価に利用できます。
 スマホ向けの無料通話アプリは、電話回線を使わずに「IP(インターネットプロトコル)」と呼ばれる技術によりインターネット回線を通じて音声データをやりとりします。データ通信の定額プランを利用しているユーザーであれば、音声データをどれだけ送受信しても別途、通信料がかからないため、アプリ利用者間の通話が実質無料となる仕組みです。インターネット回線を使っているため、送受信者がどの通信会社と契約しているかを問わずに無料で通話でき、海外通話やメール・チャットも可能です。
2013年7月15日掲載