ビジュアル・ニュース解説

医薬品のネット販売について知る!

2013.4.1 掲載
2013年1月、医薬品のネット販売を禁じた厚生労働省の省令に対し最高裁判所が違法とする判決を出しました。「大衆薬」のネット販売が事実上解禁されたため、原告のネット通販会社は販売を再開し、ほかの通販サイトでも販売の動きが広がっています。その一方で、安全のために薬事法を改正してネット販売を再規制すべきとの声もあります。今回は、医薬品の分類、医薬品の販売規制の経緯や関連業界の動向、ネット販売の今後などについて解説します。

3. ネット販売解禁をにらみ新規参入の動きが拡大。政府は新たなルール作りを急ぐ(1)

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 こうしたなかで2009年5月、医薬品・健康食品のネット通販会社のケンコーコムとウェルネットの2社が国を相手取り、省令の無効を求めて訴訟を起こしました。一審の東京地裁は訴えを退けましたが、二審の東京高裁は逆転判決を下しました。国は上告したものの、13年1月、最高裁は東京高裁の判決を支持して上告を棄却。これにより2社の勝訴が確定し、1、2類のネット販売は事実上の解禁となりました。
 ケンコーコムとウェルネットは自社サイトで1、2類の販売を即日再開。そのほかの小売りやネット企業の間でも医薬品のネット通販事業への参入意欲が高まっています。大衆薬の市場規模は年6000億円で横ばいが続いていますが、ネットに販路が広がることで今後の市場拡大が見込まれています。
2013年4月1日掲載