新着!きょうのことば

ドラッグ・ロス

2023.11.14(火) 掲載
日本で「既存薬なし」39品目
 欧米で承認された薬が日本で使えない事態を指す。中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関)の薬価専門部会では、ドラッグ・ロスに陥っている医薬品86品目のうち39品目が「日本ではその病気に対する既存薬がない」と報告された。特定の病気に関わらず、幅広い領域でドラッグ・ロスが発生している。
 問題の背景として日本の薬価制度の特徴も指摘されている。日本は薬価が低く、事業性が成り立ちにくい。販売時に想定される価格が欧米に比べて低いうえに、市場に出回るほど薬価が下がるなど不確実性が高い。特に海外の新興企業は資金に限りがある。収益性を見込めない日本市場での開発は、検討すらされないことがほとんどだという。
 医薬産業政策研究所によると、2021年の世界の医薬品売り上げ上位300品目のうち65%は米国で最初に流通する。日本で最初に流通するのは6%ほどだ。厚労省はドラッグ・ロス解消に向けて、薬価上の措置を見直す議論を進める。世界に先駆けて日本で開発する医薬品に薬価を加算する制度の要件を緩和する案などが浮上している。