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偽ニュース

2023.6.4(日) 掲載
SNSで拡散、投票に影響も
 根拠が乏しいもしくは虚偽の情報を事実のように見せかけたインターネット上の言説を指す。誤った情報自体は昔から存在する。近年はSNS(交流サイト)の普及で拡散スピードが上がり、有害な影響が広がりやすい。組織的な世論工作や差別扇動など特に悪質で深刻なケースは「ディスインフォメーション」とも呼ばれる。
 世界で注目されたきっかけは、2016年の米大統領選挙と英国の欧州連合(EU)離脱を巡る国民投票だ。SNSで広がったフェイクニュースが一部の人の投票行動を左右したと言われる。ロシアなど海外からの介入も指摘され、フェイスブックをはじめとするSNS運営企業は対策の不備やデータ管理責任を厳しく問われた。
 国内では総務省の有識者会議がSNS企業の取り組みの情報収集や対応策の議論を続けている。これまでのとりまとめには、真偽を見極めるファクトチェック活動の推進やリテラシー教育の充実を盛り込んだ。表現の自由を確保するため、企業に削除義務を課すといった規制は見送っている。