新着!きょうのことば

軍事偵察衛星

2023.6.1(木) 掲載
基地の状況など即時に把握
 他国の軍事動向を把握するために使われる人工衛星を指す。相手国の上空を周回して映像を撮影する。基地の状況や兵器の配備状況など、詳細な軍事行動がリアルタイムで分かる。
 1957年に旧ソ連が世界初の人工衛星「スプートニク1号」の打ち上げを成功させたことを皮切りに、冷戦下で米ソが開発を競った。現在は米国やロシアのほか、中国などが運用している。軍事衛星には偵察衛星のほか、赤外線センサーを使い、より高度上空から弾道ミサイル発射を探知する機能を備えたものなどもある。
 北朝鮮は軍事偵察衛星の運用を「国防5カ年計画」に掲げ、搭載するロケットなどの技術開発を進めている。2012年、16年にも「人工衛星」と称するものを発射し、搭載物が軌道に到達した。それ以前の発射実験では打ち上げ後に爆発するなど、失敗が続いていた。衛星打ち上げと同様の技術が用いられるミサイルの発射実験を繰り返し、技術力を高めたとの見方もある。北朝鮮側は今回の衛星打ち上げの目的について「米軍の行動偵察」としている。仮に成功すれば、日本や韓国にとっても新たな脅威となる。