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浮体式原子力発電所

2023.5.24(水) 掲載
30年代に商用化計画
 洋上で稼働させる浮体式の原子力発電所。2030年代前半の商用化が計画される。地震や津波の影響が少なく安全性が高い。陸上では固有の設計が必要になるが、洋上では共通化した構造物の大量生産で建造コストや工期が短くてすむ。造船所から洋上まで船をえい航して設置し、運営することができる。
 世界各地で開発が進む。英コアパワーなどが取り組むプロジェクトには米エネルギー省が22年夏に約130億円の研究資金を提供。ロシア国営のロスアトムは20年に商業運転を始めた。日本国内では産学有志による研究会の産業競争力懇談会(東京・千代田)が検討している。最速では30年代前半に初号機の試運転を始める考えだ。
 水素やアンモニアの生産設備を近くに設置することで発電した電力は脱炭素技術向けに使うこともできる。海水淡水化プラントや海洋データセンター向けにも活用が検討されている。