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富岳

2023.5.23(火) 掲載
素材開発など幅広い用途
 理化学研究所と富士通が開発した国産スーパーコンピューターで、計算速度を競う世界ランキングで2020年6月から4期連続の世界一を獲得した。11年に同ランキングで世界最速になった「京(けい)」の後継機として14年に開発を開始。富士通がスパコンの頭脳であるCPU(中央演算処理装置)を専用に設計・開発した。
 現実世界では実験が難しい現象のシミュレーションなどに用いられる。気象庁による「線状降水帯」の発生予測のほか、素材開発や人工知能(AI)開発など幅広い分野の計算に使われる。調査会社のマーケッツアンドマーケッツによると、スパコンを含む高性能コンピューターの関連市場は22年の360億ドル(約4兆9600億円)から27年には499億ドル規模に拡大する。
 一般にAIのデータ学習には画像処理半導体(GPU)が大量に用いられることが多い。AIでは膨大なデータに際し同じ計算処理を繰り返しており、並列処理を得意とするGPUの強みを発揮しやすい。富岳はGPUを使わないが、CPUをベースに高度なAIの計算にも対応している。