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広島ビジョン

2023.5.22(月) 掲載
核抑止・核軍縮の両立探る
 核軍縮に特に焦点を当てた主要7カ国(G7)首脳による初の共同文書。核のない世界を「究極の目標」と位置づけ「安全が損なわれない形で、現実的で実践的な責任あるアプローチ」に関与すると確認した。ウクライナへ侵攻するロシアを巡り「核兵器の使用の威嚇、いかなる使用も許されない」と強調し、核拡散防止条約(NPT)体制の堅持も唱えた。
 中国に関し「透明性や有意義な対話を欠いた核戦力の増強」に懸念を示した。名指しは避けつつ核戦力データの開示や、透明性について非核保有国と対話することを促した。北朝鮮には核実験や弾道ミサイル発射の自制を求めた。岸田文雄首相が提唱したヒロシマ・アクション・プランを「歓迎すべき貢献」と記した。
 核抑止の現実を踏まえつつ、核軍縮・不拡散をめざす姿勢を示した。米国防総省は中国が核弾頭を2022年1月の350発から35年に4倍以上の1500発に増やすと分析する。G7のうち米英仏は核を保有し、持っていない日本も核戦力を含む米国の拡大抑止に安全保障を頼る。米国が米国製戦闘機「F16」のウクライナへの直接供与に慎重なのは核大国ロシアの抑止力の表れとも指摘される。