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核融合発電

2023.5.17(水) 掲載
少ない燃料で膨大な熱量
 水素のような軽い原子核同士が融合し、ヘリウムなどの重い原子核に変わる反応で、少ない燃料から膨大なエネルギーを生み出す。理論上は1グラムの燃料からタンクローリー1台分にあたる約8トンの石油と同じ熱量を得られるとされる。現在の原子力発電所で起こしている核分裂反応の4倍にのぼるとされる。
 太陽も核融合反応で膨大な熱を放出するため、核融合炉は「地上の太陽」と呼ばれる。核融合燃料やその原料は海水に含まれるため、資源供給の不安も少ない。燃料供給を止めれば反応がすぐに収まるため、従来の原発よりも安全性が高いとされる。
 核融合反応で得た熱で水から蒸気を作り、タービンを回転させるなどすれば発電できる。核融合発電は石油や天然ガスを燃やす火力発電と異なり二酸化炭素(CO2)を排出しないため、脱炭素の切り札にもなる。国際協力では日本や米欧、中国やインドは国際熱核融合実験炉(ITER)の建設をフランスで進めており、2035年に核融合反応を起こして熱を発生させる運転を始める計画だ。