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未富先老

2023.1.18(水) 掲載
「一人っ子」撤廃後も課題
 経済成長がピークを迎える前に、高齢化によって衰退が始まることを指す。中国は豊富な労働力を強みに1978年の改革開放から約40年にわたり成長を続けてきたが、転機を迎えつつある。民間債務が積み上がり投資余力が落ちているのに加え、人口構成問題による潜在成長率の低下が影を落とす。
 少子高齢化は80年ごろに導入した「一人っ子政策」の影響が大きい。中国国家統計局のデータによると、全人口に占める生産年齢人口の比率は、2010年をピークに減少傾向にある。中国政府は21年に産児制限を事実上撤廃したが、養育費の高さなどから2人目や3人目の出産をためらう人もいる。
 生産年齢人口の伸びが止まると経済成長の停滞が懸念され、先行して少子高齢化が進んだ日本は停滞が続いている。中国も高齢化が進めば、社会保障費が膨らみ成長の重荷になる。これまでインフラ投資などで景気浮揚をはかってきたが、政策の選択肢も狭まることになる。