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イタリアの同胞(FDI)

2022.9.27(火) 掲載
コロナ禍、批判票で伸び
 ネオファシズムの流れをくむ野党の極右政党。主要政党としては唯一、2021年2月に発足したドラギ政権に加わらず、同政権を一貫して批判してきた。総選挙前の議席数は上院で7%、下院で6%にすぎなかったが、新型コロナウイルス対策の行動制限や物価高で国民の政権への不満が高まり、批判票の受け皿として支持を伸ばした。
 選挙戦の公約では不法移民対策や子育て支援の強化などを掲げた。物価高に対応する国民への支援策を前面に押し出し、ポピュリズム(大衆迎合主義)の色彩が濃い。FDIはロシアへの制裁を支持するが、右派連合はプーチン政権とのつながりも指摘される。
 党首のメローニ氏は1977年、ローマ生まれ。ムッソリーニの精神を受け継ぐネオファシスト政党「イタリア社会運動(MSI)」を学生時代から支持し、MSIの後継政党から2006年に初当選した。ベルルスコーニ政権では閣僚に抜てきされた。12年にFDIを結党し、14年に党首に就任。伝統的な家族主義を重んじ、同性婚への反対でも知られる。