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為替介入の資金

2022.9.24(土) 掲載
すぐ使える外貨預金19兆円
 政府・日銀が外国為替市場で為替介入する際の原資は、円買いと円売りで大きく異なる。円売り・外貨買いの場合は国債発行を通じて国内の金融市場から円を調達し、介入に充てる。政府が市場から資金を調達できる限り、介入の原資は無限と言える。一方で円買い介入の場合は売るための通貨として外貨準備が充てられるため、外貨準備高が上限とされる。
 外貨準備は中央銀行や政府が債券や預金、金などの形で保有する外貨建ての資産。日本では政府の外国為替資金特別会計(外為特会)と日銀が保有する。財務省によると日本の外貨準備高は1兆2920億ドル(約180兆円)と、20年前と比べ2.8倍に膨らんだ。過去に実施した介入で買い入れたドルを外貨準備として積み上げてきたためだ。
 8月末時点の構成比率をみると、1兆ドル超を米国債を中心とした証券で保有しており、すぐに介入資金として使うことができる海外の中央銀行や国際決済銀行(BIS)などへの預金は1361億ドル(約19兆円)にとどまる。「米国債を売却して介入資金にするのは国際協調の観点からハードルが高い」(国内証券)との指摘も多い。