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台湾海峡

2022.8.6(土) 掲載
中国と台湾、軍事的危機の舞台
 台湾と中国南東部の福建省を隔てる海峡。東シナ海の一部で、南北の長さは約380キロメートルにのぼる。古くから大陸沿岸の南北交通の航路として利用された。1949年まで続いた国共内戦後は、中台の度重なる政治的衝突や軍事的危機の舞台となってきた。
 内戦後、毛沢東率いる共産党が北京に政権を樹立し、敗北した蒋介石率いる国民党軍は台湾に逃れた。両者の対立が続く中、54~55年、58年には2回に分けて武力衝突が起きた。これが第1次、第2次の「台湾海峡危機」だ。95年には李登輝総統が訪米を実現し、直後に中国が弾道ミサイルや軍事演習によって威嚇し、米国もかかわる第3次の海峡危機が起きた。
 99年には李総統が中台の二国論を表明。2016年には対中強硬を掲げる民進党の蔡英文氏が総統に就任した。台湾統一への揺るがない決意を表明している習近平総書記の下で、軍事衝突リスクは高まっている。東シナ海と南シナ海を結ぶ主要航路である台湾海峡の交通が妨げられれば、世界経済への影響も甚大となる。