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医療のデジタル化

2022.6.20(月) 掲載
患者情報を共有しやすく
 治療した情報を電子化して共有したり、オンラインで診察・治療したりする技術。治療情報は多くの病院で電子化されているが、それぞれの病院で仕様が異なっている。特に診療所は電子カルテの導入率が海外に比べても低い。このため病院間だけでなく、診療所と病院の間で患者の情報が共有しにくい状態になっている。それぞれの医療機関で重複して検査するなど医療費の無駄になっている。
 オンラインで診療・治療する技術の開発は進んでいるが、「原則は対面診療」という医療現場の根強い慎重論や反発がある。超高速・大容量の通信技術の発達で、対面に近い形で診療・治療できる技術もある。ただ対面より診療報酬が低いなどの制約が残る。
 治療情報の電子化を巡っては、政府は健康診断や介護情報、医療費などの情報と一元化して活用を目指している。医師だけでなく、患者にとっても利便性が増す。情報の一元化にはマイナンバーの活用が不可欠だが、個人情報の扱いなどを懸念する声もあり、海外に比べて医療のデジタル化が遅れる要因になっている。