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急性期医療

2022.6.19(日) 掲載
手厚い体制で短期治療
 重い病気や大けがを抱えた患者の症状が安定するまで、短期、集中の手厚い治療やケアを提供する医療機能。急性(acute)期を経て、回復(convalescent)期病床でリハビリを受けたり、退院したりする。長期療養する場合は慢性(chronic)期の病院に移る。平均入院日数は慢性期のおよそ1年に対し、急性期は約2週間と短い。救急や集中治療室(ICU)など、より緊急度の高い患者を診る高度急性期もある。
 急性期は検査や投薬治療、手術などに多くの医療スタッフ、設備を必要とする。例えば看護師は病床あたりで慢性期の2倍の人数が配置される。その分、医療費も高い。大学病院や地域の中核病院が担うことが多い。若い医師や看護師が多くの症例に触れて専門性を高める研修の場ともなる。夜勤や休日勤務があり、労働負荷は高い。
 超高齢社会に突入した日本では急性期のニーズは減る。2014年成立の医療介護総合確保推進法に基づき、都道府県は地域医療構想を策定し、急性期や回復期など病床の必要量を推計している。地域の病院、医師会などの関係者が集まる調整会議が置かれ、病床再編や病院の役割分担などを議論している。