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マイナス金利

2022.6.10(金) 掲載
利下げ・緩和、限界で導入
 民間銀行が中央銀行にお金を預け入れる際の金利をマイナスにする政策。通常は預金をすれば利息を得られるが、逆に銀行が中銀に預金をすると損失を被る状況にする。中銀は銀行に対してお金を企業や家計への貸し出しに回すよう促し、企業の設備投資や家計の消費を増加させて、物価上昇や経済の活性化につなげる狙いがある。
 2008年の金融危機後に通常の利下げや量的緩和の効果が限られ、欧州中央銀行(ECB)や日銀などが相次ぎ導入した。国債利回りにも下押し圧力がかかりやすくなる。金融機関の収益を圧迫したり、過度なインフレを助長したりする側面もある。2020年にスウェーデン中銀が解除し、ECBやスイス国立銀行(中銀)の行方に関心が集まっている。
 日銀は0.1%のマイナス金利を採用している。当座預金を3つの区分に分け、「政策金利残高」にマイナス金利を課している。日銀によると、4月16日から5月15日のマイナス金利の適用残高は40.2兆円と16年2月の制度開始以降で最高となった。あふれたマネーが行き場を失っており、銀行から預貯金者へのコスト転嫁が進む可能性も指摘されている。