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グラスゴー金融同盟

2022.6.9(木) 掲載
脱炭素へ「1京円拠出」
 2050年までに温暖化ガス排出量の実質ゼロを目指す金融機関の有志連合。英語の正式名称はGlasgow Financial Alliance for Net Zeroで、略称GFANZ(ジーファンズ)。21年4月に英イングランド銀行前総裁のマーク・カーニー氏が提唱して発足した。21年の第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)で、脱炭素に向け100兆ドル(約1京3300兆円)の資金を拠出できると公表し、注目を集めた。
 GFANZの傘下には排出実質ゼロを目指す銀行の団体「ネットゼロ・バンキング・アライアンス」や資産運用会社の団体「ネットゼロ・アセットマネジャーズ・イニシアチブ」など7団体がある。加盟機関数は21年11月時点で450以上と、発足時の約3倍になった。加盟金融機関の総金融資産は130兆ドルと世界の民間金融資産の4割を占める。日本からも3メガバンクや4大生保などが参画している。
 加盟金融機関は30年など中間地点での排出削減目標を設定する必要がある。投融資先企業に排出削減を働きかけたり、企業の削減に向けた取り組みを支援したりすることで脱炭素の実現を目指す。アジアなど排出量の多い地域の金融機関の参加が少ない点が課題だ。