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「新しい資本主義」

2022.6.1(水) 掲載
投資・成長にも範囲拡大
 岸田文雄首相が掲げる経済政策。人への投資、科学技術分野への重点投資、スタートアップの起業加速、「グリーントランスフォーメーション(GX)」への投資など4つの柱で構成する。首相は「課題解決と新たなマーケット創出による成長の二兎(にと)を追う」と説明する。就任前の自民党総裁選から訴えてきた。
 具体策には変化がみられる。21年の党総裁選は「令和版所得倍増」を強調し、同年秋の首相就任会見で株式の配当や譲渡益にかかる金融所得課税の強化は「選択肢の一つ」と語った。ロンドンの金融街シティーの今年5月の演説では「資産所得倍増プラン」を唱え、投資や成長にも幅を広げた。経済活動による弊害を是正しながら成長を求める政策は海外にもあり、バイデン米大統領が経済政策「ビルド・バック・ベター(より良き再建)」を唱える。
 過去の政権も経済の看板政策を意識した。安倍晋三元首相は金融政策、財政政策、成長戦略の「3本の矢」で経済成長を目指す「アベノミクス」を打ち出した。菅義偉前首相は50年に温暖化ガスを実質ゼロにする脱炭素やデジタル庁の創設などを表明した。