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早期警戒管制機(AWACS)

2022.5.20(金) 掲載
レーダーで全方位監視
 航空自衛隊が4機保有する早期警戒管制機(AWACS)「E767」は「空飛ぶ司令塔」の異名を持つ。AWACSはAirborne Warning and Control Systemの略称で「エーワックス」と呼ばれる。円盤形レーダーで空中から全方位を監視し、味方の戦闘機を指揮する。地上から探知できない遠方や低空飛行の敵を発見し、航空優勢を確保する要となる。
 E767は米ボーイング製で、旅客機B767を改造して開発した。日本は2000年から運用を始めた。防衛省によると世界で運用するのは自衛隊のみ。米軍や北大西洋条約機構(NATO)が持つAWACS「E3」は旧型機であるものの、いまも現役だ。NATOはウクライナ侵攻への対応でもE3を活用している。
 空自がAWACSを導入したきっかけは1976年の「ミグ25事件」とされる。低空で侵入してきた旧ソ連の戦闘機を地上レーダーが捕捉できず、函館空港への強行着陸を許した。防空態勢の強化に動き、米国からの対日貿易赤字の是正要求も背景となってAWACSの購入につながった。費用は1機500億円を超えた。4機購入したことについて当時の防衛庁は24時間切れ目なく任務にあたるために3交代に予備機1機を加えた体制が必要だと説明した。