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「ゼロコロナ」政策

2022.5.17(火) 掲載
厳しい規制で感染防止
 中国の習近平(シー・ジンピン)指導部が掲げる、新型コロナウイルスを徹底して抑え込む感染防止対策。都市封鎖(ロックダウン)など厳しい規制を通じて感染件数を限りなく減らす狙い。感染が最初に拡大した湖北省武漢市で始め、2022年には吉林省長春市、広東省深圳市などで封鎖に踏み切った。感染者が見つかったエリアに限って外出制限を課すなど厳しく対応してきた。
 多数の住民を強制的に家に閉じ込めるなど、極端な戦略によって中国国内の新型コロナ感染は低く抑えられた。一方で経済や社会が混乱するなどマイナスの影響は大きい。厳しい制限には国内でも不満がくすぶり、家族が離れ離れになったなどの苦情も出た。
 3月からは最大経済都市で物流の拠点でもある上海市で事実上の都市封鎖を実施。サプライチェーン(供給網)が寸断され、自動車など内外の生産活動にも大きな影響を与えた。世界保健機関(WHO)から方針転換を推奨する声もあがっている。