物価目標

大半の先進国で2%
　経済の安定的な成長のため、各国の中央銀行は物価の安定をめざして金融政策を運営している。急速なインフレは消費に打撃となるだけでなく、企業の事業投資などの計画も立てづらくなり、長い目でみた経済活動を弱めるおそれがある。
　物価目標の細かい定義は国によって異なるが、大半の先進国では2%を採用している。物価が0%を下回る状況が続くと、賃金や消費が増えにくくなるおそれがあるため、0%を目標とする例は少ない。他国よりも目標の数値が低いと自国通貨の上昇につながる可能性もある。
　日銀は2013年に2%の物価目標を導入して大規模な金融緩和を続けてきたが、目標に届いていない。米国では強い需要や供給制約を背景に2%を大幅に上回るインフレが続いており、金融緩和策を見直す議論が急速に進んでいる。