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標準暗号

2022.1.6(木) 掲載
電子署名や決済に広く使用
 インターネットなどの通信でやり取りする情報を第三者に盗み見られないよう保護するため、公的な機関や団体が標準化した暗号。現在は「RSA暗号」や「楕円曲線暗号」と呼ばれる方式が使われる。ブラウザー(ネット閲覧ソフト)やスマートフォン向けアプリを使ったネット通信で広く使われる。情報の改ざんを防ぐ電子署名にも使われ、ネット通販の決済やICカードなどに広く採用されている。
 暗号は数学の問題を応用しており、解くのにスーパーコンピューターでも膨大な時間がかかることを安全性の根拠とする。量子コンピューターは現在の暗号を解くのが得意で、性能が高まると短時間で情報を解読できることが分かっている。量子コンピューターが苦手な数学の問題を使った新しい暗号に切り替えることが求められている。
 日本では総務省や経済産業省が管轄する組織が政府のIT戦略などに使える暗号を精査している。2023年に暗号のリストを改定する予定で、米国で標準化した新暗号を日本としてどのように扱っていくのか議論している。