新着!きょうのことば

気候変動リスク

2021.10.19(火) 掲載
「プライム市場」で開示義務
 温暖化ガスの排出増加に伴う気候変動で、経済や社会が被るリスクを指す。企業に対しては、国際組織の気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)が気候変動リスクを「移行リスク」と「物理的リスク」に分類し、シナリオに応じて分析するよう推奨している。
 移行リスクは、低炭素に移行する過程で既存の産業が陳腐化したり、消費者の好みが変わったりすることが企業業績などに与える影響を指す。法規制や新技術、市場の変化、消費者の評判などを含む。参考になる過去のデータがなく、従来はリスク分析が難しかった。物理的リスクは海面上昇や洪水で本社・工場が受ける直接的な被害を指す。スイス再保険によると2021年1~6月の世界の自然災害による損害保険額は400億ドル(約4兆6000億円)と、同期間として10年ぶりの高水準だった。
 22年4月の東京証券取引所の市場再編で実質最上位となる「プライム市場」の上場企業はTCFD提言に沿った開示が求められる。3月期決算企業は22年6月の株主総会後に提出するコーポレート・ガバナンス報告書から記載が必要だ。