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経済的な格差

2021.10.16(土) 掲載
所得の偏在指標で把握
 経済的な格差を示す指標は様々ある。中でもジニ係数はよく用いられる。平等ならゼロで、格差が大きくなるほど1に近づく。具体的には所得の低い人から高い人に横一列に並べ、所得の累積割合をグラフに描くと、完全に平等なら傾斜45度の直線を描くが、高所得者が一部に偏っている場合、ゆがみの大きい弓形を描く。このゆがみを利用して計算する。
 相対的貧困率も所得格差を示すもう一つの指標だ。所得の中央値の半分の金額を貧困線と設定し、そこを下回る人の割合で計算する。ジニ係数も相対的貧困率も世帯人員を調節した上で、年金や税金などを反映した所得再分配後の「等価可処分所得」で計算することが多い。トップ1%や10%のお金持ちが国民全体の資産をどれだけ持っているかなども不平等の指標として使われる。
 日本のジニ係数は1980年以降緩やかに上昇しているが、足元では上昇は止まりつつある。所得差が大きい高齢者が増えれば格差は拡大しやすくなる一方、雇用環境の改善は格差是正につながる。他方、シングルマザーや就職氷河期世代の低所得や貧困も経済格差を見る上では重要な論点だ。