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供給網

2021.8.6(金) 掲載
効率化が競争力左右
 原材料の調達から部品や完成品の製造、配送・販売に至るまで、商品やサービスを消費者など顧客に届けるまでの一連の流れのこと。供給(サプライ)が鎖(チェーン)のように連なる様子からサプライチェーンとも呼ばれる。
 たとえば自動車は一般的に数万点の部品を組み合わせて造られる。製造に関係する企業数も膨大になる。グローバル化により生産の国際分業が進むなか、効率的なサプライチェーンの構築は企業の競争力を左右する要因になっている。最近はIT(情報技術)を活用したデータ管理ソフトウエアを採用するケースも増えてきた。
 企業にとっては、自然災害や感染症の広がりなど非常時への備えが欠かせない。2011年の東日本大震災やタイの大洪水で自動車や電機・精密メーカーの生産が止まった。21年春には半導体大手のルネサスエレクトロニクスの国内工場で火災が発生し、延べ1万人を超える規模の自動車メーカー社員らが復旧応援に駆けつけた。
 地政学リスクなどビジネス環境の変化にも先手を打った対応が求められる。米中貿易摩擦などの政治問題はサプライチェーン寸断リスクに直結する。