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雇用調整助成金

2021.7.28(水) 掲載
コロナ下、支給決定4兆円
 企業が従業員に払う休業手当の費用を補助する制度。仕事が減っても働き手を解雇せず、雇用を維持してもらう狙いがある。もともと1人あたりの日額上限は約8300円だったが、新型コロナウイルス感染拡大に伴う特例措置として2020年から助成内容を拡充した。今は原則として日額上限を1万3500円、助成率が最大10分の9で、売り上げが大幅に落ちこむ企業などには1万5千円まで支給している。
 新型コロナの影響による支給決定額は20年3月~21年7月23日時点の累計で4兆円を超えた。08年のリーマン・ショック後も特例はあったが、09年度の支給は約6500億円で今の水準は約6倍になっている。労働経済白書によると、雇調金の特例などの効果で20年4月~10月の完全失業率を2.6ポイント抑えられたという。
 特例措置の継続は成長産業や人手不足の企業への人材移動を阻み、労働者の働く意欲をそぐことにもつながる。厚労省は本来の助成内容に向けて段階的に縮小させる方針だったがほとんど実現できていない。最近は逆に最低賃金を引き上げるための中小企業支援として、年末まで10分の9以上の助成率を維持することなどを打ち出している。