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ゼロ金利政策

2021.6.18(金) 掲載
景気・物価の押し上げ狙う
 中央銀行が政策金利をゼロ%に誘導し、景気や物価を押し上げる金融政策。政策金利は中銀に口座を持つ金融機関が短期資金を貸し借りする際の指標となる金利で、国債利回りから住宅ローンまで様々な金利に影響を与える。金利が下がれば個人や企業にとっては返済する際に支払う利子が減るため、資金を借りやすくなる。個人や企業が資金を消費や設備投資などに回すよう促すことで経済の活性化を狙う。
 米連邦準備理事会(FRB)は2008年のリーマン・ショック後、政策金利のフェデラルファンド(FF)金利を0~0.25%とする事実上のゼロ金利政策を導入した。15年にゼロ金利を解除して段階的に利上げしたが、新型コロナウイルスの感染拡大で20年3月に再びゼロ金利政策に踏み切った。
 日銀や欧州中央銀行(ECB)などはゼロ金利政策からさらに踏み込み、金融機関が中銀にお金を預け入れる際の預金金利をマイナスとすることで、金融機関が資金を貸し出しに回すよう促す「マイナス金利政策」を導入している。いずれの政策にも、金融機関の利ざやが薄くなって経営が悪化するなどの副作用がある。