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ハーシス

2021.4.7(水) 掲載
感染状況の迅速把握狙う
 新型コロナウイルスの感染者情報を国や自治体が共有するシステム。厚生労働省の運用のもと2020年5月から稼働している。医師らが感染者の氏名などの基本情報や、検査や診断に関する情報を入力する。保健所側の入力や集計作業の負担を減らし、感染状況の迅速な把握やクラスター対策などの業務に集中する狙いがある。
 ハーシス導入前は、医療機関が手書きの「発生届」をファクスで保健所に届け出ていたため、素早い情報共有が難しかった。ハーシスは感染者の健康観察も担う。本人がスマートフォンなどから日々の体温や息苦しさなどの健康情報を直接入力でき、保健所が電話で問い合わせる負担は減る。容体の変化の予兆をとらえ、異変を見逃さないようにする。
 厚労省はハーシスに集まったデータをもとに新規陽性者数などの統計を作成する。厚労省の専門家組織「アドバイザリーボード」での議論の土台になる。最近は英国型や南アフリカ型を含む変異ウイルスの報告数の把握などにも活用している。