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半導体需給

2021.1.25(月) 掲載
巣ごもり・車需要で逼迫
 世界半導体市場統計(WSTS)によると、2020年11月の世界の半導体売上高は前年同月比7%増の394億ドル(約4兆900億円)と約2年ぶりの水準に回復した。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う巣ごもり需要でデータセンターやパソコン向けが増えたところに、夏ごろから自動車の生産が回復。半導体は通常、材料を投入してから製品ができあがるまでに3カ月以上かかり、需要と生産のギャップが生じている。
 車載半導体では「走る」「止まる」といった車の動きを制御するマイコンや、電気を効率よく使うために必要なパワー半導体の品薄感が強い。車載半導体大手のオランダ・NXPセミコンダクターズやスイス・STマイクロエレクトロニクスなどは半導体を自社生産するほか、一部の生産を台湾積体電路製造(TSMC)など受託生産会社(ファウンドリー)に任せている。
 一方で、ファウンドリーにはスマートフォンやデータセンターなど向けの半導体発注も増えている。幅広い業界がファウンドリーの生産能力を奪い合い、足元の車載半導体の不足につながっている。半導体工場の新設には通常、着工から数年程度かかるとされ、今後も半導体需給の逼迫が続くとの見方が多い。