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大統領の弾劾

2021.1.13(水) 掲載
米上院、裁判で罷免判断
 米大統領を議会が罷免する手続き。米憲法は弾劾の対象を「大統領、副大統領と全ての文官」とし「反逆罪、収賄罪もしくはその他の犯罪と非行」で「有罪」になれば罷免できると定める。一般の司法手続きとは異なり政治的な判断が大きく影響する。
 まず下院の委員会が調査を実施し、弾劾の対象となるかを判断する。その後下院本会議に大統領の訴追を勧告する。刑事裁判の起訴にあたる弾劾訴追を下院の過半数の賛成で決議すれば、上院が弾劾裁判を開いて罷免するかどうか評決を下す。上院の弾劾裁判では出席議員の3分の2以上が賛成すれば、大統領は有罪となり失職し、副大統領が大統領に昇格する。
 1868年に始まったアンドリュー・ジョンソン大統領に対する弾劾裁判が建国史上初の事例となった。1998年にクリントン大統領が弾劾訴追を受けた。2019年にトランプ大統領は弾劾裁判にかけられた米国史上3人目の大統領となった。ニクソン大統領は1974年、下院で弾劾訴追が不可避になった時点で辞任したため、弾劾裁判で罷免された事例はまだない。