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ノルウェー政府年金基金

2023.5.1(月) 掲載
 北海の石油・ガス田から得るノルウェー政府の資源収入を原資として、国民の年金資産を増やすために設立されたファンド。政府系ファンドとしては世界最大級の運用規模で、運用残高は2017年に1兆ドル(約135兆円)を超え、足元は1.26兆ドル(約170兆円)にのぼる。世界の上場株や債券のほか、不動産などにも分散投資している。
 運用実務はノルウェー銀行(中央銀行)傘下のNBIMが担う。ESG(環境・社会・企業統治)投資の旗振り役として知られ、19年には石油・ガス関連株の一部を投資先から外すことを決めたほか、21年には洋上風力発電所に投資した。保有する全ての個別銘柄や議決権行使の内容を公表するなど情報開示にも積極的だ。
 22年の年間収益率はマイナス14.1%に沈んだ。リーマン・ショックが起きた08年に次ぐ過去2番目の低さだった。世界的なインフレと金融引き締めで株式と債券の相場が同時に下落し、運用の逆風となった。
 1500銘柄以上の日本株を保有するなど、日本市場でも存在感は大きい。22年末時点では運用残高の9.1%を日本の資産(債券、株式などの合計)が占めた。
ノルウェー政府年金基金