きょうのことばセレクション

要人警護

2023.5.1(月) 掲載
 要人の身辺安全を確保するための警察活動を指す。警護に当たる警護員は危険を察知した際は自らが盾となって要人の身を守ることもあり、厳しい条件を満たした警察官から選抜される。警視庁警護課の警護員はセキュリティーポリス(SP)と呼ばれる。
 警護の運用方法などは「警護要則」で定める。対象者は首相や国賓に加え、「身辺に危害が及ぶことが国の公安に係ることとなるおそれがある者として警察庁長官が定める者」で、衆参両院議長や閣僚のほか首相経験者などが含まれる。
 戦後も首相ら主要政治家を狙った事件が相次ぎ発生。1975年に三木武夫首相が男に顔を殴られた事件を機にSPが創設され、目立たないよう見守る警護から周囲に存在を示す方式に転換。2022年7月の安倍晋三元首相の銃撃事件で、警察庁は都道府県警察に任せてきた運用を改め、計画の事前審査など国の関与を強化した。海外では国の機関が要人警護を担うケースが多く、米国の政府機関「シークレットサービス」は6千人超の組織で年間予算は27億ドル(約3600億円)に上る。
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