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物流業界の2024年問題

2023.5.1(月) 掲載
 働き方改革関連法が2019年に施行された際に特例でトラック運送業への適用が猶予されていたが、24年3月末で終わる。トラック運転手の時間外労働に年間960時間の上限が課せられる。人手不足が慢性化している物流各社が十分な運転手を確保できず、安定的な長距離輸送が困難になるとの懸念があり、「2024年問題」と呼ばれる。
 現状の物流システムや労働環境のまま輸送を維持するためには運転手の増員が必要になる。全日本トラック協会の22年の調査では、時間外労働が960時間を超える運転手がいると回答した企業は27.1%にのぼる。およそ4社に1社以上が24年以降の規制を満たせていない状態だった。
 野村総合研究所はこのままの状態では24年問題の影響で、25年に全国の荷物の28%、30年には35%を運べなくなる可能性があるとの試算を公表した。物流各社は、配送方法の見直しや荷下ろし作業の効率化、運転手の負担軽減などの対応が急務となっている。
物流業界の2024年問題