きょうのことばセレクション

ペロブスカイト型太陽電池

2023.5.1(月) 掲載
 「ペロブスカイト」と呼ばれる特殊な結晶構造を持つ物質を材料に使う太陽光パネル。2009年に桐蔭横浜大学の宮坂力特任教授が発明した。重さは現在、主流となっているシリコン型の10分の1で、折り曲げられるのが特徴だ。材料を塗って乾かすだけという簡単な製造工程のため従来の半額ほどで製造できると期待される。
 建物の壁や湾曲した屋根などにも設置できる利点がある。電気自動車(EV)やドローンに搭載して、電気を「自給自足」しながら動かす活用の仕方も想定される。どれだけ太陽光を電気に変換できるか示す変換効率は高まってきており、積水化学工業や東芝は15%を達成した。シリコン型は20%を超えるものがある。
 日本発の技術だが、量産化では海外勢が先行する。ポーランドのスタートアップ、サウレ・テクノロジーズが2021年5月に工場を開設した。中国の大正微納科技も22年7月に江蘇省で量産を始めた。生産規模はまだ小さく、今後、どれだけ歩留まりをあげて大量に生産できるかが競争のカギを握っている。
ペロブスカイト型太陽電池