きょうのことばセレクション

米連邦預金保険公社(FDIC)

2023.4.1(土) 掲載
 米国の金融機関が破綻した場合に、一定額の預金などを保護するための預金保険制度を運営する。預金を取り扱う金融機関は加盟が義務付けられ、FDICは金融機関の健全性を監督する。破綻処理では管財人の役割も果たす。1口座あたりの預金保護上限は25万ドル(約3380万円)。
 1920年代後半からの大恐慌時に大量の銀行が破綻し、預金者が損失を被った。33年のFDIC設立によって小口預金者を保護し、金融システムへの信頼を確保する狙いがあった。80年代、貯蓄金融機関(S&L)の大量破綻を契機に預金保険制度の改革が実施され、FDICの権限も強化された。
 2008~09年の金融危機でワシントン・ミューチュアル・バンクなど大手銀が破綻し、FDICの保険基金が大きく減少した。米銀ワコビアの破綻を防ぐため、同業シティグループによる買収を仲介しようとしたこともあった。10年の「ドッド・フランク法(金融規制改革法)」成立で、金融機関のストレステストを実施したり破綻処理計画の提出を求めたりするようになった。
米連邦預金保険公社(FDIC)