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スポット市場

2023.3.1(水) 掲載
 原油やガス、石油製品、電力などを随時に取引する市場を指す。その時々の環境や需給を勘案しながら売り手と買い手が相対で値決めする。液化天然ガス(LNG)では運搬船1隻ごとの量で売買する。決められた量を毎年買う長期契約よりも価格変動が大きいが、買いすぎるリスクは小さい。
 気体のガスをパイプラインで輸入するのが難しい島国の日本は発電・都市ガス用途の大半を長期契約のLNGで賄ってきた。ノルウェーの調査会社ライスタッド・エナジーによると、2022年の日本のスポット調達比率は2割程度。欧州では7割近くをスポット市場で調達し、昨年のガス高で欧州の電気代は高騰した。
 LNGのスポット価格は、北東アジアではS&Pグローバル・プラッツ社がLNGカーゴの価格を入着ベースで評価し発表しているJKM(ジャパン・コリア・マーカー)などが参照されている。スポット取引のほかに将来の支払いや受け渡しを約束する先物取引や先渡し取引もある。長期契約では取引価格は一定ではなく、原油価格などと連動して動く。
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