きょうのことばセレクション

広域送電網

2023.1.1(日) 掲載
 各地の大手電力会社が管轄するエリアをまたいで電気を融通するための送電線網で、それぞれを地域間連系線と呼ぶ。大手電力はそれぞれのエリアの電力需要を満たすように発電所や送電網を構築してきたため、連系線を通じて電気を大量に送り合う体制は整っていなかった。
 日本も2050年に温暖化ガスの排出量を実質ゼロにすると決め、状況は変わった。再生可能エネルギーの主力電源化への切り札となる洋上風力は40年までに最大4500万キロワット分の導入にメドをつける考え。北海道・東北・九州で過半~8割を占める見通しで、電力需要の大きい首都圏や関西圏まで送るための連系線の増強が求められている。
 融通できる電力が小さいままだと再生可能エネルギーをエリア外に送りきれず、再生エネの発電を抑えるといった無駄も生じる。これまで太陽光発電の導入が進んでいる九州で一部生じてきたが、他のエリアにも広がってきた。このままでは再生エネの投資の足かせになりかねず、政府は広域送電網の強化が再生エネの大量導入に不可欠だとみている。
広域送電網