きょうのことばセレクション

対外投資

2023.1.1(日) 掲載
 経済活動のグローバル化に伴い、国境を越えた投資活動が活発化している。海外に工場をつくったり、海外企業を買収したりする「直接投資」と、利益を得るために株式や債券を購入する「証券投資」がある。取得した株の議決権の割合などが直接投資か証券投資かを分ける目安になる。
 海外との総合的な取引状況をみる経常収支では、第1次所得として対外投資の利益を計上する。日本側が得た利益は受取額、海外投資家が日本への投資で得た利益は支払額で、差し引きして受取額が多ければ黒字だ。日本は受け取りが多く支払いが少ないため、世界有数の黒字国だ。国内の魅力が乏しく海外からうまく投資を集めていないという見方もできる。
 経常収支はモノの輸出入を記録した貿易・サービス収支と第1次所得収支の2つが柱。足元では供給制約などで輸出が伸び悩み、さらに輸入資源の価格が高騰しているため、貿易・サービス収支は赤字になりがちだ。一方で対外投資がベースの第1次所得収支は安定して黒字を確保している。
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