きょうのことばセレクション

中銀のデジタル通貨

2022.12.1(木) 掲載
 中央銀行が発行するデジタル通貨で「CBDC(Central Bank Digital Currency)」とも呼ぶ。一般に(1)デジタル化されている(2)法定通貨建てである(3)中銀の債務として発行される――といった要件を満たす。発行により決済の効率性向上やキャッシュレス決済の普及などが期待される。
 世界の中銀の約9割がCBDCの研究に着手している。米国では2022年3月にバイデン大統領が研究の加速を指示。ユーロ圏は26年以降の発行を見据えて研究を進めている。中国は北京五輪で「デジタル人民元」をお披露目した。銀行口座がなくてもスマホがあれば利用できるため、金融サービスが行き届いていない新興国が積極的に導入している。
 日本では日銀がCBDCの実現可能性を探るために実証実験を進めている。実証実験は3段階に分かれており、21年4月に始めたCBDCの基本的な機能(発行や流通など)を試す第1段階は既に終了した。22年4月からの第2段階では、一括送金のような決済の利便性向上や外部システムの連携といった周辺的な機能の検証を進めている。
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