きょうのことばセレクション

百貨店市場

2022.12.1(木) 掲載
 日本経済の成長とともに中間層から富裕層までの需要を取り込んで成長した。だがユニクロなどの専門店に顧客を奪われたほか、電子商取引(EC)との競争も激しくなっている。2021年の全国の百貨店売上高は4兆4000億円で、ピークだった1991年の9兆7000億円から半分以下の水準に落ち込んだ。店舗数も268店から、189店に減った。
 03年のミレニアムリテイリング(現そごう・西武)の設立が発端となり、業界再編が進んだ。07年に大丸と松坂屋ホールディングスが統合したJ・フロントリテイリング、08年に三越伊勢丹ホールディングスが発足した。
 新型コロナウイルスの感染拡大で、百貨店を支えてきたインバウンド(訪日外国人)需要が蒸発。百貨店各社は20年度に最終赤字に転落した。22年10月に新型コロナの水際対策が緩和し経済回復に向かっているが、既存店ベースの売上高はコロナ前の水準には戻っていない。富裕層向けの外商の強化や、施設内へのテナント誘致などを進めて生き残りを図る動きも活発化している。
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