きょうのことばセレクション

原発の運転期間

2022.12.1(木) 掲載
 法律で定める原子力発電所の運転開始から停止までの期間。日本の場合は原子炉等規制法で原則40年、最長60年と規定している。現状の規制は2011年の東日本大震災に伴う東京電力福島第1原発事故を受け、12年に当時与党だった民主党と野党の自民・公明両党の合意で方針を決め、議員立法で原子炉等規制法を改正した。
 それまでは運転開始から30年以上がたった原発を当時の経済産業省原子力安全・保安院が10年おきに状態を審査して稼働を延長する仕組みだった。明確な上限は定めていなかった。上限の設定は原発事故をふまえ古くて安全性が低い原発を廃止していく流れをつくる狙いがあった。
 海外では運転期間に上限を設けない国もある。経産省によると米国は運転期間は40年と定め、安全審査をクリアすれば20年以内の延長が何度でもできる仕組みだ。英国やフランスも運転期間の制限はなく10年ごとに安全審査を実施する。日本が40年という期間の原則を定めた際には科学的な根拠に乏しいとの指摘も出ていた。
原発の運転期間